Current File : //usr/share/man/ja_JP.UTF-8/man1/mpss.so.1.1
'\" te
.\"  Copyright (c) 2002, 2011, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.
.TH mpss.so.1 1 "2011 年 11 月 24 日" "SunOS 5.11" "ユーザーコマンド"
.SH 名前
mpss.so.1 \- 優先ページサイズを設定するための共有オブジェクト
.SH 形式
.LP
.nf
\fBmpss.so.1\fR 
.fi

.SH 機能説明
.sp
.LP
\fBmpss.so.1\fR 共有オブジェクトは、起動されたプロセスとその子孫のスタック、ヒープ、あるいはその両方の優先ページサイズを選択的に構成する手段を提供します。\fBmpss.so.1\fR を有効にするには、次の文字列が 1 つ以上の \fBMPSS\fR (Multiple Page Size Support) 環境変数とともに環境内に存在する必要があります (\fBld.so.1\fR(1) を参照)。
.sp
.in +2
.nf
\fBLD_PRELOAD=$LD_PRELOAD:mpss.so.1\fR
.fi
.in -2
.sp

.SH 環境
.sp
.LP
\fBmpss.so.1\fR 共有オブジェクトは、事前に読み込まれると次の環境変数を読み取り、その環境変数に固有のものである可能性がある優先ページサイズ要件とプロセスを判定します。
.sp
.ne 2
.mk
.na
\fB\fBMPSSHEAP\fR=\fIsize\fR\fR
.ad
.br
.na
\fB\fBMPSSSTACK\fR=\fIsize\fR\fR
.ad
.RS 27n
.rt  
\fBMPSSHEAP\fR および \fBMPSSSTACK\fR には、それぞれヒープおよびスタックの優先ページサイズを指定します。指定したページサイズは、作成されたすべてのプロセスに適用されます。
.sp
\fIsize\fR は、サポートされるページサイズ (\fBpagesize\fR(1) を参照) または \fB0\fR である必要があります。後者の場合、システムは適切なページサイズを選択します (\fBmemcntl\fR(2) を参照)。
.sp
\fIsize\fR は、\fBK\fR (K バイト)、\fBM\fR (M バイト)、\fBG\fR (G バイト)、または \fBT\fR (T バイト) で修飾できます。
.RE

.sp
.ne 2
.mk
.na
\fB\fBMPSSCFGFILE\fR=\fIconfig-file\fR\fR
.ad
.RS 27n
.rt  
\fIconfig-file\fR は、次の形式の \fBmpss\fR 構成エントリを 1 つ以上含むテキストファイルです。
.sp
.in +2
.nf
\fIexec-name\fR \fIexec-args\fR:\fIheap-size\fR:\fIstack-size\fR
.fi
.in -2
.sp

\fIexec-name\fR には、アプリケーションまたは実行可能ファイルの名前を指定します。対応する優先ページサイズは、ファイル内にある最初の \fIexec-name\fR に一致する新しく作成されたプロセス (\fBgetexecname\fR(3C) を参照) のために設定されます。
.sp
\fIexec-name\fR には、フルパス名、基本名、またはパターン文字列を指定できます。パターンマッチングについては、\fBsh\fR(1) の「\fBファイル名の生成\fR」を参照してください。
.sp
\fIexec-args\fR は、引数と照合する任意指定のパターン文字列です。\fIexec-args\fR が指定されていないか、または exec-args が \fIexec-name\fR の引数内に存在する場合にのみ、優先ページサイズは設定されます。
.sp
\fIheap-size\fR、\fIstack-size\fR、あるいはその両方を指定しないと、対応する優先ページサイズは設定されません。
.sp
\fBMPSSCFGFILE\fR は、\fBMPSSHEAP\fR および \fBMPSSSTACK\fR よりも優先されます。\fBMPSSCFGFILE\fR が設定されていない場合は、\fB/etc/mpss.conf\fR から優先ページサイズが取得されます (存在している場合)。
.RE

.sp
.ne 2
.mk
.na
\fB\fBMPSSERRFILE\fR=\fIpathname\fR\fR
.ad
.RS 27n
.rt  
デフォルトでは、エラーメッセージは \fBsyslog\fR(3C) の \fBLOG_ERR\fR レベルと \fBLOG_USER\fR 機能を使用してログに記録されます。\fBMPSSERRFILE\fR に有効な \fIpathname\fR (\fB/dev/stderr\fR など) が含まれている場合は、代わりにエラーメッセージがそこに記録されます。
.RE

.SH 使用例
.LP
\fB例 1 \fR\fBMPSSCFGFILE\fR を使用した優先ページサイズの構成
.sp
.LP
次の Bourne シェルコマンド (\fBsh\fR(1) を参照) は、\fBMPSSCFGFILE\fR 環境変数を使用して、優先ページサイズを \fBfoo\fR で始まる実行可能ファイル名を持つ選択された一連のアプリケーションに構成します。\fBMPSS\fR 構成ファイル \fBmpsscfg\fR は、\fBvi\fR(1) などのテキストエディタを使用して以前に作成されていると見なされます。\fBcat\fR(1) コマンドは、内容をダンプしているだけです。

.sp
.in +2
.nf
example$ \fBLD_PRELOAD=$LD_PRELOAD:mpss.so.1\fR
example$ \fBMPSSCFGFILE=mpsscfg\fR
example$ \fBexport LD_PRELOAD MPSSCFGFILE\fR
example$ \fBcat $MPSSCFGFILE\fR
foo*:512K:64K
.fi
.in -2
.sp

.sp
.LP
アプリケーションが起動されたあと、\fBpmap\fR (\fBproc\fR(1) を参照) を使用して、構成された実際のページサイズを表示できます。

.sp
.in +2
.nf
example$ \fBfoobar &\fR
example$ \fBpmap -s `pgrep foobar`\fR
.fi
.in -2
.sp

.sp
.LP
(\fBpmap\fR の出力に表示された) ページサイズが希望のサイズに構成されていない場合は、\fBMPSS\fR 構成ファイルまたは環境変数のエラーが原因である可能性があります。エラーログ (デフォルトでは \fB/var/adm/messages\fR) でエラーを確認してください。

.sp
.LP
エラーが見つからない場合は、リソースまたは境界合わせの制約が原因である可能性があります。「注意事項」のセクションを参照してください。

.LP
\fB例 2 \fR\fBMPSSHEAP\fR と \fBMPSSSTACK\fR を使用した優先ページサイズの構成
.sp
.LP
次の Bourne シェルコマンドは、\fBMPSSHEAP\fR および \fBMPSSSTACK\fR 環境変数を使用して、すべてのアプリケーションに対して \fB512K\fR のヒープの優先ページサイズと \fB64K\fR のスタックの優先ページサイズを構成しています。

.sp
.in +2
.nf
example$ \fBLD_PRELOAD=$LD_PRELOAD:mpss.so.1\fR
example$ \fBMPSSHEAP=512K\fR
example$ \fBMPSSSTACK=64K\fR
example$ \fBexport LD_PRELOAD MPSSHEAP MPSSSTACK\fR
.fi
.in -2
.sp

.LP
\fB例 3 \fR優先順位ルール (例 2 の続き)
.sp
.LP
\fBMPSSCFGFILE\fR による優先ページサイズの構成は、\fBMPSSHEAP\fR および \fBMPSSTACK\fR よりも優先されます。\fB例 2\fR のコマンドのあとに次のコマンドを追加すると、構成ファイル内のアプリケーション、\fBls\fR コマンド、および引数として \fBora1\fR が指定された \fBora\fR で始まるすべてのアプリケーションを除き、すべてのアプリケーションで \fB512K\fR のヒープの優先ページサイズと \fB64K\fR のスタックの優先ページサイズが構成されます。

.sp
.in +2
.nf
example$ \fBMPSSCFGFILE=mpsscfg2\fR
example$ \fBexport MPSSCFGFILE\fR
example$ \fBcat $MPSSCFGFILE\fR
ls::
ora* ora1:4m:4m
.fi
.in -2
.sp

.SH ファイル
.sp
.ne 2
.mk
.na
\fB\fB/usr/lib/ld/map.bssalign\fR\fR
.ad
.RS 28n
.rt  
bss 整列用のテンプレートリンカーマップファイル (\fBmapfile\fR) (「注意事項」を参照)。
.RE

.sp
.ne 2
.mk
.na
\fB\fB/etc/mpss.conf\fR\fR
.ad
.RS 28n
.rt  
構成ファイル
.RE

.SH 属性
.sp
.LP
属性についての詳細は、マニュアルページの \fBattributes\fR(5) を参照してください。
.sp

.sp
.TS
tab() box;
cw(2.75i) |cw(2.75i) 
lw(2.75i) |lw(2.75i) 
.
属性タイプ属性値
_
使用条件system/extended-system-utilities
_
インタフェースの安定性確実
.TE

.SH 関連項目
.sp
.LP
\fBcat\fR(1), \fBld\fR(1), \fBld.so.1\fR(1), \fBpagesize\fR(1), \fBppgsz\fR(1), \fBproc\fR(1), \fBsh\fR(1), \fBvi\fR(1), \fBexec\fR(2), \fBfork\fR(2), \fBmemcntl\fR(2), \fBgetexecname\fR(3C), \fBgetpagesize\fR(3C), \fBsyslog\fR(3C), \fBproc\fR(4), \fBattributes\fR(5) 
.SH 注意事項
.sp
.LP
ヒープおよびスタックの優先ページサイズは継承されます。子プロセスには親と同じ優先ページサイズが適用されます。\fBexec\fR(2) では、優先ページサイズが \fBmpss\fR 共有オブジェクトを使用して構成されていないかぎり、優先ページサイズがデフォルトのシステムページサイズに戻されます。
.sp
.LP
また、\fBppgsz\fR(1) (proc ツール) を使用して、スタックまたはヒープ、あるいはその両方の優先ページサイズを設定することもできます。ただし、名前の一致に基づいて子孫のページサイズを選択して構成することはできません。
.sp
.LP
\fBppgsz\fR(1) の「注意事項」も参照してください。